2007年度作品。アメリカ映画。
牧場主のダン・エヴァンスは干ばつで借金が重なり、生活が苦しくなる一方。そんなある日、悪名高いベン・ウェイド一味が駅馬車を襲っているのを目撃する。その後、ダンが借金のことで、地主の元に向かった町でウェイドと再会。ウェイドはそこで保安官たちに捕まる。ウェイドを裁判所へ連行するため、3時10分発ユマ行きの列車の出る駅へと向かう。ダンはその護送役に名乗りを上げる。
1957年作品の『決断の3時10分』をリメイク。
監督は「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」のジェームズ・マンゴールド。
出演はラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイル ら。
一言で語るなら、非常におもしろい作品であった。
そう思った理由は銃撃戦がすさまじかったということもあるし、プロットにメリハリがあるという点等、いろいろある。
だが基本的にはラッセル・クロウとクリスチャン・ベイルの二人の存在感に負うところ大だと思う。
特にラッセル・クロウ演じるベン・ウェイドがすばらしい。こいつがまたとんでもない悪党なのである。
彼はちょっと話してみると、非常にいい人のように見える。愛想はよいし、人の心をゆさぶるような言葉も口にして、相手に感銘を残すこともある。
だがそれはあくまで表面的な部分でしかない。相手の裏をかいて出し抜くこともあるし、人を殺すときには何のためらいもない。
彼は非情という言葉が似合う外道なのだ。そのふてぶてしいまでの存在感は強烈である。
個人的には、かくしていたナイフで見張りを殺すところが気に入っている。
そのシーンを見ると、彼は本当に抜け目がなくて、一筋縄ではいかない男だな、とつくづく思ってしまう。
そんな悪党がクリスチャン・ベイル演じる牧場主と奇妙な共闘関係を結ぶところがおもしろい。
彼らは対立する敵同士なのだけど、自分の命を守るためという利害さえ合えば手を組むことも辞さない。
そうしていくうちにラッセル・クロウ演じる悪党が、相手の牧場主の男気を認めていく様が何とも言えず良いのである。これぞ男の世界と言えるだろう。
だから最後に自らラッセル・クロウが列車に乗り込むシーンが男らしくて、ちょっとカッコいいのだ。
それは最後までプライドを大事にした相手に対する、彼なりの敬意なのだろう。その姿が気高くもあり、非常に胸に迫る。
男の生き様や、かっこよさなど、男の世界ってやつをまざまざと見せ付けられる。非常にすばらしい一品だ。
評価:★★★★★(満点は★★★★★)
制作者・出演者の関連作品感想
・ジェームズ・マンゴールド監督作
「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」
・ラッセル・クロウ出演作
「アメリカン・ギャングスター」
「消されたヘッドライン」
「ワールド・オブ・ライズ」
・クリスチャン・ベイル出演作
「アイム・ノット・ゼア」
「ダークナイト」
「プレステージ」
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